企業&決算紹介 ストライク (6196) MA仲介事業

パッと目についた決算/株価反応とかを企業紹介と一緒に紹介していきたいこのコーナー。

6月30日決算発表企業から6196 ストライクを最初の題材の一つにしようかなって今朝決めました。

だからどうしたって話でもあるし、株価って結局需給なのでつらつら書いたのは判断材料の一つに過ぎないからまぁ酒のつまみにしていただきたい所存。

企業紹介

事業内容

いわゆる中小型のM&A仲介業者で、例えば直接営業だったり、金融機関からの紹介だったりをベースに売り手と買い手を見つけてマッチングさせる事業をやっている会社になります。

競合とか

上場企業の競合としては以下の企業群があります。

どれも基本的に事業モデルに大きな違いは無いんですが、直接営業案件と紹介案件の比率とか、案件の微妙なサイズ感とかに違いがあります。個人的な感覚ですが、

  • 日本M&Aセンター: 最大手。地銀とかとの関係強く、紹介案件多め。 
  • M&Aキャピタルパートナーズ: 直接営業案件多め。1件あたりのサイズ感が大きい。 
  • ストライク: 上2社の中間に位置するポジション。
  • オンデック: 関西地盤。案件サイズも小さめ。

って程度の把握です。純資産に対して手数料を取るのか総資産に対して手数料を取るのかとか、受注から成約までの期間が違うとかそういうのもありますけど割愛。

事業とか市場とかのポイント

また、M&A仲介の事業や市場として把握しておきたいポイントですが、

  • 社長の高齢化に伴う事業承継だったり人手不足だったりを背景に基本拡大市場 
  • コロナ禍で上の前者の理由などを懸念する層が増えている傾向にある
  • コンサルタントの数を増やせば業績を分かりやすく伸ばしやすい事業モデル

が分かれば特に問題は無いと思います。

市場の細かい数字とか状況は正直各社がいっぱい資料出してくれているのでそれをご参考ください! (だからこの業界をトップバッターに選んだんだけど)

一応ご参考まで、決算説明会資料で言えば

  • M&A仲介サービスの事業フローや市場の全体感の数字、トレンドの把握: 日本M&Aセンター
  • 手数料計算の仕組み (レーマン方式)の把握: M&Aキャピタルパートナーズ

をそれぞれ読めば多分事足りると思います。

業績推移

最後に過去業績推移ですね。ああ゛~綺麗ですね~。特に言うことは無いです。(CEは会社予想)

FY21/9 Q3決算の勝手な評価

それでは本題の6月30日発表の決算の方を見ていきたいと思います。

株価反応

発表翌日の株価は大きく下落し、前日比-7.55%となりました。株探記事の引用になりますが、「Q3の営業減益を嫌気」だそうです。

ストライク---急反落、3-5月期の営業減益決算をネガティブ視 | 株探ニュース
ストライク<6196>は急反落。前日に第3四半期決算を発表、累計営業利益は20.4億円で前年同期比4.5%減益となった。人件費や営業活動費用の増加などが減益要因となったもよう。13カ月決算となる通期予想は30.8億円を据え置いており・・・。

 

実際の推移はこうなっており、なるほど確かに増収率も鈍化、YoYは減益となっていてキーとなる数字の見た目はよくなさそうです。

実態は?

と、そこで終わってたら話題にした意味がないのでもう少し深堀りしたいと思います。

M&A仲介事業ですが、事業フローはどこも変わりません。営業/紹介 > 受注 > 成約 (売上計上)です。

ので、受注産業のように新規受託案件数が開示されています。それを含めた表が下です。

推移を見てみると、昨年Q3(3~5月、丁度コロナでストップしてた頃ですね)から横ばいが続き、Q3で底打ちした形に見えます。なので、受注は結構改善してるし、なんなら好転してきているんですよね。

営業に行くのは当然ですが人です。この辺はコンサルタント数として開示してくれています。同社は昨年Q3から採用がちょっと止まり気味だったのが前四半期に増えて、今四半期は大幅に増えています。

Q3末時点で148人ですが、実はこれって中期的な目線で立てている (と思われる) 計画を大きく超過した数字なんですよね。じゃあ (大分妄想も混じりつつ) 人増やせたので新規受託も伸びてきたし、今四半期は一杯取れたし、将来的に受注って割と安定して伸びていくんじゃないの、成長産業なんでしょってもらとりあむちゃんは考えたりします。

じゃあ業績が伴ってないのなんでなん? って話なのですが、この辺は改めて決算説明会資料を見てみたいところです。

上がQ2の時の、下がQ3の時のものです。赤い薄掛けのところを見てみると、会社側の認識としては売上が弱かったのは「コロナ禍影響を受けて成約数が減少」 が原因で、Q3では 「全体としては改善傾向」っていう風に変わってきているようです。

別の観点からも見れます。最初の表に戻ると、丁度昨年の3~5月が受注の底で、そこから成約までの期間が大まかなコロナ影響によって長引いてたんじゃ、ということになると、去年の受注が実現してくるのが丁度前四半期~今四半期の頃で、これが業績が弱く見える一因なのでは? ということです。

分かりにくいから今までの3行でまとめて

こっから先の判断は自由なんですけど、もらとりあむちゃんはこの辺を受けて今回の決算は

  • 受注は好転
  • 人は結構採用出来てきたので受注は今後伸びそう
  • 成約ベースで見ると事業の仕組みと開示的に割と悪いところ過ぎたんじゃないの

とか思ったりします。

今後の業績って? (この辺から予想というか妄想の話)

じゃあ結局今後の業績は、ってことですけど。

一応会社側は今期業績のガイダンスを今回変えませんでした。一応達成可能な見通しと思ってるっていうことです。 (今はまだって話であって、確実性はこの事業だと別に高くはないし監査に「やれるんで!」って言い切ればなんとかなる事業だけど)

今回通期ガイダンスは決算期変更の関係で変則で13ヵ月で売上84億位、利益で31億位を見込んでいて、差し引きでQ4は売上30億弱利益10億強を見込んでいるみたいです。

この水準の実現可能性を逆算してみます。

上がざっくり作ったイメージです。

大体売上って成約組数*一組当たり売上かな、とか考えます。で、過去の動きを見るとどうも一組当たり売上は大型案件の割合とかが絡んでそうです。まぁそりゃ1件で貰える手数料大きい案件が増えれば増えますよね

この辺は説明会資料に記載がありました。 (画像は割愛) 今稼働中の受託案件の1割以上が大型案件だそうです。上のQ3説明会資料の右枠上から3番目とかにあります。

あとは成約組数なんですけど、この辺はもう妄想次第なんですけど、もらとりあむちゃんは過去の動き見て

  • 成約環境は改善中
  • Q3 > Q4って多分決算とボーナス目指して成約頑張るから増えがち
  • Q3が3ヵ月だったのに対してQ4は4ヵ月
  • コンサルタントの数は増えてる

とかと

  • 直前四半期のQ2 / Q3の成約組数がそれぞれ38件 / 36件
  • コロナ禍始まる直前 FY20/8 Q2の成約組数が46件

とかと合わせて50~60件とか出来るんじゃねえかなー、とか思ったりする訳です。

あとは単純に掛け算して、どれ位費用使うかとかは会社予想を使って、出来上がって出てきた数字が上です。まぁそれっぽいかなぁとか思います。 だとすると割と更にネガティブな数字とか出てこないんじゃないのかなぁ、みたいな印象です。

あとはQ3なので来期とかのイメージも欲しいな…ってところ。

ということで皆大好き四季報から数字引っ張ってきました。22/9 Tが四季報予想(東洋経済のT)です。

そうするとこの数字なんかちょっと変なんですよね。FY21/9と売上利益ほぼ同じくらいっていう予想入れてるんです。

FY21/9が13ヵ月、FY22/9が12ヵ月とはいえ、月数影響は精々12/13で8%程度、その一方で、コンサルタント数は増えてて新規受託は既に底打ちっぽい雰囲気、成約等も改善傾向とかなわけです。あとなんなら人を増やしてるのに費用が増えねえ。

これはバイトがまた適当な予想入れやがったな。 なんとなく不思議です。分かりません。もらとりあむちゃんが間違ってる可能性も多分にありますがなんか変だなって思います。

で、もらとりあむちゃんの個人的な妄想を多分に入れ込んだ数字のイメージがこっちになります。

新規受託数はコンサルタントの数計画より増やしてるし、そうすれば別に会社の中計に即した新規受託見込めなくはないし、新規受託はFY21/9見ても伸びてるし、なんなら成約弱かった分受注残高は溜まってるし、成約効率上がってるならFY21/9に比べて別に2割くらい伸びても良いんじゃないの~~~っていう適当な数字です。そこに単価とかが同じくらいで良いなら過去から取って5200~5500万/件とかで100億とか売上出してくれない??? ってところ、あと費用の伸びは人数増とかを踏まえた上での適当な数字です (強調)

大抵こういう皮算用はどっか見落としてるんですけど、なんとなくフラットとかは考えにくいんじゃなかろうか、っていうのが印象です。

総括すると、あんまQ4の業績も来期の業績もしんどいって感じはしないなぁ…むしろ四季報とか上振れてくれないかなぁ…(願望) って思わなくはない。そんな感想を持ったQ3決算でした。

じゃあ今の株価ってどうなの? 買いなの? 売りなの?

昔の上司みたいな詰めをしないでください。泣いてしまいます。

えっ…さぁ…? なんか僕はそう思ったんだけど今日売られちゃったし…バリュエーション40xとか超えてる高いところ買う気しないよねって言われたらそれまでだし、M&A仲介って規制されそうじゃんとか色々あるからその辺は勝手にして…って言いたいところです。

言いたいところなんですが、一応過去の株価推移を見てみると、ストライクって相対的に弱かったんですよねこの1年半くらい。で、来期の水準的には本当に営利で40億出せるならざっくりP/Eで30x割ってくる成長業界の成長株なんだなぁとは思いました。

ストライク

日本M&Aセンター

M&Aキャピタルパートナーズ

だからどうしたって話でもあるし、株価って結局需給なので上のつらつら書いたのは判断材料の一つに過ぎないからまぁ酒のつまみにしていただきたい所存 (2度目

この辺注意したいなってところ

とまぁ最初なので割とちゃんと書いたんですが、本来はこういうのを決算出た日に考えてまとめておいて、後日企業様との取材でお話を伺って、ちょっとどうなのって聞いてくるのがお仕事だった訳です。

今回なら

  • 環境の改善傾向って続いてると見て良いのか
  • 何かQ3に引き伸ばして考えてはいけない特殊な案件は無かったか
  • 来期はどういう風に費用を使うのか、使いたいのか

とかを聞くのかなぁ…とか思います。あとは

  • とはいえ緊急事態宣言云々あるし下振れリスクあるのでワンチャン下方修正とかあり得なくはない
  • (彼らが保守的だったことはあまりないけど) 決算期変更後で来期業績予想どう出すか読めない
  • YoYが決算期変更影響でしばらく表示されなくて分かりにくい

とかは確認しにくいリスク / ファクター な気はします。

で、買い煽りみたいな記事書いてるけど…

でお前買ってるん? っていう話があると思います。この辺フェアに行きたいので多分企業見る記事書いた後は絶対コメントしようと思います。 まだ買ってません。

理由は上で挙げたところが分からないからで、まぁどっか適当なタイミングで会社に聞けないかなー、とか思ってる訳です。

最後に

企業紹介/ 決算紹介の記事はこんな感じのを想定してます。最初だから大分ちゃんと書いたけど ←

なんでこんなの書いてるかって、需給方面の話とかは結構よく見るんですけど、他の人のこういう思考プロセスちゃんと見れるように書いてる人居なくないかなぁって思うところがあります。

勿体無いですよね、個別株やってて一番面白いところだと思うんですけど。 (本来利益の源泉だから晒すなってのは確か

勿論見てる決算とかアイデアの一部しか紹介出来ない訳なんですけど、このブログのんびりやってる間はこんな感じに決算とか読んで考えたいけどどう読んだら良いんだろ、みたいな人の一助となれたらいいし、もしかしたら大間違いしてて一助になるどころが害悪になるかもしれなくてどうしよう…

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